iPS心筋移植 慶大計画を了承…厚労省評価部会

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から心筋(心臓の筋肉)の細胞を作り、重い心臓病の患者に移植する再生医療で、慶応大チームの臨床研究計画が27日、厚生労働省の再生医療等評価部会で了承された。        

 チームは今冬にも1例目の移植を実施する方針だ。

今冬にも実施

 計画しているのは、慶応大の福田恵一教授(循環器内科)ら。移植の対象となるのは、心臓を拍動させる心筋の働きが弱くなる「拡張型心筋症」の患者で、20~74歳の3人に実施する。

 iPS細胞は、京都大から提供を受ける。心筋細胞に変化させて約1000個を球状の塊にし、患者1人あたり約5000万個の細胞を、特殊な注射器で心筋に直接注入する。

厚労省によると、拡張型心筋症の患者は国内で2万人以上とみられる。患者は薬やペースメーカーなどで病状を管理しているが、悪化すると心臓移植が必要になる。臨床研究では、心臓移植が必要になる前の段階の患者を対象としており、細胞の移植後1年間、安全性や移植の有効性を調べることを計画している。

福田教授は、同日開いた記者会見で、今回の再生医療について「安全な技術を開発するため、基礎研究から臨床に至るまで約25年かかった。今後も慎重に進めたい」と述べた。

iPS細胞を使った心臓病の再生医療は大阪大チームが治験に入っており、今年1月に最初の移植を実施した。心臓の血管が詰まって心臓の一部が壊死

えし

する「虚血性心筋症」の患者が対象で、iPS細胞から作った心筋細胞をシート状に加工し、心臓表面に貼る方法で移植した。

心筋シートは血管の形成を促す成分を分泌し、血流を改善させることなどが期待されている。シートは、移植後数か月で消失する。一方、慶大チームの再生医療は、心筋細胞を心臓に定着させて、拍動の機能を改善させることを狙っている。心臓に細胞を注入するため不整脈が起きるリスクもあるが、福田教授は「万全の態勢で管理する」と説明している。

                           

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